八島塚古墳&中山塚古墳 | 古墳の濠から巨大な修羅が発見!ぶら古墳 Vol.41 〜藤井寺市 百舌鳥古市古墳群〜

八島塚古墳&中山塚古墳
中山塚古墳

南河内の古墳を紹介する「ぶら古墳シリーズ」。第41回は藤井寺市にある「八島塚古墳」と「中山塚古墳」です。百舌鳥古市古墳の一つで、八島塚古墳は世界遺産リスト「30」、中山塚古墳は「29」に登録されています。



八島塚古墳と中山塚古墳とは

八島塚古墳、中山塚古墳共に全長50m、高さ8mの5世紀前半に築造されたと考えられている方墳。方墳

中山塚古墳の西側には助太山古墳が存在し、中山塚古墳、八島塚古墳と、3つ合わせて「三ツ塚古墳」とも称されます。

3基のうち八島塚古墳、中山塚古墳は宮内庁により、仲津姫陵の陪塚に指定。助太山古墳のみ国の史跡に指定されています。

仲津姫命陵(仲津山古墳) | 藤井寺市最大の古墳は女性の埋葬者? ぶら古墳 Vol.34 〜藤井寺 百舌鳥古市古墳群〜


八島塚古墳と中山塚古墳は、ある事で非常に有名になる出来事がありました。それは1978年に両古墳の間にある濠から「修羅」が発見された事です。

修羅とは

修羅
道明寺天満宮にある三ツ塚古墳の修羅の復元品

発見された修羅は、アカガシ類の巨木をV字状に組合せたもので、大小2基見つかりました。利用方法としては、丸いコロの上に修羅を乗せ、物を運搬するためのソリと考えられています。

助太山古墳案内板より

大型の修羅は全長約8.8mで、先端部は船のへさきのようにとがっています。さらに先端から1メートルのところには、牽引するためのロープを通したと思われる穴が両側面に開けられていました。

助太山古墳案内板より

古墳の石棺や天井石は、巨大な石が使われており、修羅はこうした巨石を運ぶために使われたと考えられています。




修羅の発見は当時の新聞夕刊のトップにも掲載されたとあって、見学会には1万2千人もの人が見学に訪れたそうです。あまりの見学者の多さに1人30秒しか見る時間がなかったとか。

羽曳野市側の古市古墳群では国宝級の副葬品や鮮やかな装飾品が見つかっていますが、藤井寺市側ではどちらかというと地味なものしか発掘されていません。

そうした中、修羅の発見に藤井寺市では大いに盛り上がったそうです。藤井寺市のシンボルとなっている、生涯学習センター「アイセルシュラホール」は、修羅と船型埴輪がモチーフとなっているほどです。

シュラホール
生涯学習センター「アイセルシュラホール」

修羅がいつ作られたかについては諸説があります。素直に考えれば両古墳が築造された5世紀前半となります。しかし、両古墳は7世紀に築造された終末古墳ではないかとの説があります。

と言うのも、葺石や埴輪が確認できない、助太山古墳で露出している石が横口式石槨の可能性があるなど、終末古墳の特徴を持っているのです。

助太山古墳
助太山古墳

したがって、三ツ塚古墳の築造時期によって修羅が使われていた時代も変わってくることになります。三ツ塚古墳の調査が進めば、この謎も解明されるかもしれません。




現在、大きい方の修羅は、河南町にある「近つ飛鳥博物館」、小さい方の修羅は藤井寺市図書館で見学できます。

ちょっと驚きの「近つ飛鳥」と言う名の由来~河南町 近つ飛鳥博物館 アクセス ~


また、再現された修羅は道明寺天満宮の境内に保管されており、こちらも見学が可能です。

道明寺天満宮
道明寺天満宮にある三ツ塚古墳の修羅の復元品

現在の八島塚古墳と中山塚古墳

八島塚古墳&中山塚古墳
八島塚古墳

「入れない!」「見えにくい!」「草木が繁り過ぎ!」と言う古墳ファン泣かせな両古墳。

にわか古墳ファンなので、遠くからちょっと眺めたぐらいで鋭い分析ができる訳でもないので困ったものです。まあ、近くで見ても「木が繁ってますね」ぐらいしか分析できませんが…

八島塚古墳&中山塚古墳
中山塚古墳

中山塚古墳は宮内庁管理の古墳にしては柵もなく、古市古墳群では珍しい古墳です。もちろん入りませんし、あんな草木が繁りまくっている所に入る勇気はありません。

中山塚古墳と八島塚古墳の修羅が見つかった場所は、現在集合住宅になっています。しかもちょっぴりヨーロピアンテイストな建物で、古墳とミスマッチ過ぎて中々いい味を出しています。八島塚古墳&中山塚古墳
両古墳の北側の道が比較的、見易いポイントになっています。しかし、道と古墳の間に微妙に色々な物があり、真横まで行く事ができません。

八島塚古墳&中山塚古墳
八島塚古墳

せっかくここまで来たら真横で見たいのに行けないという消化不良感があります。まあ、真横に行っても草と木しか見えないので、構わないのですが…



アクセスと周辺スポット

近鉄南大阪線線「土師ノ里駅」より徒歩約5分。三ツ塚古墳の周辺には多くの古墳が存在します。土師ノ里駅前には「沢田の七つ塚」の最後の生き残り「鍋塚古墳」。

鍋塚古墳 | ぶら古墳 Vol.17 〜藤井寺市 百舌鳥古市古墳群〜


三ツ塚古墳の北には、藤井寺市最大の古墳である仲津姫命陵。西には「古室山古墳」と「大鳥塚古墳」。

古室山古墳 | 四季の景色が美しい古墳 ぶら古墳 Vol.32 〜藤井寺 百舌鳥古市古墳群〜


また、東には古墳築造に深く関わりのある、土師氏ゆかりの「道明寺」と「道明寺天満宮」も存在します。

道明寺 | 道明寺粉が生まれた二つの説 ~道明寺 藤井寺市 御朱印 アクセス~





八島塚古墳と中山塚古墳データ

古   墳:八島塚古墳・中山塚古墳
墳   形:方墳
築造の時期:5世紀前半
所 在 地:大阪府藤井寺市道明寺6丁目12-23
全   長:50m
高   さ:8m
埋葬の施設:不明
埋   葬:不明