藤井寺市 藤井寺市の古墳

八島塚古墳&中山塚古墳|濠から巨大な修羅が発見!〜藤井寺市〜

八島塚古墳&中山塚古墳
中山塚古墳

南河内の古墳を紹介する「ぶら古墳シリーズ」。今回は、藤井寺市にある「八島塚古墳」「中山塚古墳」です。百舌鳥古市古墳の一つで、八島塚古墳は世界遺産リスト「30」、中山塚古墳は「29」に登録されています。

八島塚古墳と中山塚古墳とは

八島塚古墳、中山塚古墳共に全長50m、高さ8mの5世紀前半に築造されたと考えられている方墳。中山塚古墳の西側には助太山古墳が存在し、中山塚古墳、八島塚古墳と、3つ合わせて「三ツ塚古墳」とも称されます。

3基のうち八島塚古墳、中山塚古墳は宮内庁により、仲津姫陵の陪塚に指定。助太山古墳のみ国の史跡に指定されています。

仲姫命陵(仲津山古墳)
仲姫命陵(仲津山古墳)

八島塚古墳と中山塚古墳は、ある事で非常に有名になる出来事がありました。それは1978年に両古墳の間にある濠から「修羅」が発見された事です。

修羅とは

発見された修羅は、アカガシ類の巨木をV字状に組合せたもので、大小2基見つかりました。利用方法としては、丸いコロの上に修羅を乗せ、物を運搬するためのソリと考えられています。

修羅
道明寺天満宮にある三ツ塚古墳の修羅の復元品
助太山古墳案内板より

大型の修羅は全長約8.8mで、先端部は船のへさきのようにとがっています。さらに先端から1メートルのところには、牽引するためのロープを通したと思われる穴が両側面に開けられていました。

古墳の石棺や天井石は、巨大な石が使われており、修羅はこうした巨石を運ぶために使われたと考えられています。修羅の発見は当時の新聞夕刊のトップにも掲載されたとあって、見学会には1万2千人もの人が見学に訪れたそうです。あまりの見学者の多さに1人30秒しか見る時間がなかったとか。

羽曳野市側の古市古墳群では国宝級の副葬品や鮮やかな装飾品が見つかっていますが、藤井寺市側ではどちらかというと地味なものしか発掘されていません。

そうした中、修羅の発見に藤井寺市では大いに盛り上がったそうです。藤井寺市のシンボルとなっている、生涯学習センター「アイセルシュラホール」は、修羅と船型埴輪がモチーフとなっているほどです。

アイセルシュラホール

修羅がいつ作られたかについては諸説があります。素直に考えれば両古墳が築造された5世紀前半となります。しかし、両古墳は7世紀に築造された終末古墳ではないかとの説があります。

と言うのも、葺石や埴輪が確認できない、助太山古墳で露出している石が横口式石槨の可能性があるなど、終末古墳の特徴を持っているのです。

助太山古墳
助太山古墳

したがって、三ツ塚古墳の築造時期によって修羅が使われていた時代も変わってくることになります。三ツ塚古墳の調査が進めば、この謎も解明されるかもしれません。

現在、大きい方の修羅は、河南町にある「近つ飛鳥博物館」、小さい方の修羅は藤井寺市図書館で見学できます。

藤井寺市図書館にある小型の修羅
藤井寺市図書館にある小型の修羅
近つ飛鳥博物館にある大きい方の修羅
近つ飛鳥博物館にある大きい方の修羅

また、再現された修羅は道明寺天満宮の境内に保管されており、こちらも見学が可能です。

道明寺天満宮
道明寺天満宮にある三ツ塚古墳の修羅の復元品

現在の八島塚古墳と中山塚古墳

「入れない!」「見えにくい!」「草木が繁り過ぎ!」と言う古墳ファン泣かせな両古墳。

八島塚古墳&中山塚古墳
八島塚古墳

にわか古墳ファンなので、遠くからちょっと眺めたぐらいで鋭い分析ができる訳でもないので困ったものです。まあ、近くで見ても「木が繁ってますね」ぐらいしか分析できませんが…

八島塚古墳&中山塚古墳
中山塚古墳

中山塚古墳は宮内庁管理の古墳にしては柵もなく、古市古墳群では珍しい古墳です。もちろん入りませんし、あんな草木が繁りまくっている所に入る勇気はありません。

中山塚古墳と八島塚古墳の修羅が見つかった場所は、現在集合住宅になっています。しかもちょっぴりヨーロピアンテイストな建物で、古墳とミスマッチ過ぎて中々いい味を出しています。

八島塚古墳&中山塚古墳

両古墳の北側の道が比較的、見易いポイントになっています。しかし、道と古墳の間に微妙に色々な物があり、真横まで行く事ができません。

八島塚古墳&中山塚古墳
八島塚古墳

せっかくここまで来たら真横で見たいのに行けないという消化不良感があります。まあ、真横に行っても草と木しか見えないので、構わないのですが…

八島塚古墳と中山塚古墳データ

古墳名八島塚古墳
住所大阪府藤井寺市道明寺6丁目12−34
墳形方墳
一辺50m
高さ5m
築造時期5世紀前半
埋葬施設不明
被葬者不明
参考資料・古市古墳群を歩く【古市古墳群世界文化遺産登録推進連絡会議】
・古市古墳群をあるく【久世仁士】
古墳名中山塚古墳
住所大阪府藤井寺市道明寺6丁目12−23
墳形方墳
一辺50m
高さ8.5m
築造時期5世紀前半
埋葬施設不明
被葬者不明
参考資料・古市古墳群を歩く【古市古墳群世界文化遺産登録推進連絡会議】
・古市古墳群をあるく【久世仁士】

アクセスと駐車場

・公共交通機関
近鉄南大阪線「土師ノ里駅」下車。駅の西を通る、外環状旧170号線を南に歩きます。「道明寺交差点」の少し手前にある路地を右折し直進。少し歩くと、「八島塚古墳」「中山塚古墳」が存在します。

・自動車
両古墳に駐車スペースはありません。土師ノ里駅周辺のコインパーキングから徒歩がオススメです。

周辺スポット

・仲姫命陵/仲津山古墳
両古墳から徒歩5分ほどの場所にある古墳。応神天皇の皇妃であり、仁徳天皇の母である仲姫命の陵とされています。全国9位、藤井寺市内で最大規模を誇る巨大前方後円墳。

・古室山古墳
両古墳から徒歩2分ほどの場所にある古墳。古市古墳群の中でも中に入られる珍しい前方後円墳。四季の草木が美しい市民の憩いの場です。

・大鳥塚古墳
両古墳から徒歩5分ほどの場所にある古墳。古市古墳群になかでも中に入られる数少ない前方後円墳です。第二次世界大戦時に戦闘機を保護するために作られた掩体壕の痕跡が残ります。

・盾塚古墳

両古墳から徒歩2分ほどの場所にある古墳。住宅地開発のために消滅しましたが、現在は公園として復元されています。

八島塚古墳と中山塚古墳データ

古墳:八島塚古墳・中山塚古墳
墳形:方墳
築造時期:5世紀前半
所在地:大阪府藤井寺市道明寺6丁目12-23
全長:50m
高さ:8m
埋葬施設:不明
被葬者:不明

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