先日、駅にあるパンフレットを手にとると、気になるイベントが掲載されていました。それは「祝!世界文化遺産登録記念 王寺町明神山展望台から眺める百舌鳥・古市古墳群」と称するものでした。
王寺町と言えば奈良県に存在し、奈良と大阪は生駒山系と金剛山系に隔てられています。山上からとは言え、奈良県の王寺町から古市古墳群が見えるのか?これはもう確かめるしかない…。
近鉄の企画には行けませんでしたが、後日奈良県王寺町にある明神山から古市古墳群が見えるのか、実際に確かめてきました。
明神山とはどこにあるのか?
地図を眺めてみると、明神山は大阪と奈良を結ぶ国道25号線沿いに存在します。国道25号線は、生駒山系と金剛山系の切れ間にあり、大和川が併走する場所にあたります。
古くは竜田奈良街道ともいわれる、大阪と奈良を結ぶ重要な街道でした。位置的にみれば、谷間の間から古市古墳群が見えるのかもしれません。
明神山へ
王寺町にある明神山は、南河内北部からだと30〜40分ほどの場所にあります。明神山は、標高273.6mで、二上山の雄岳と比べると約半分ほどの高さ。
明神山はハイキングコースとして整備されており、片道1.8キロと気軽に歩ける距離。ハイキングコースの少し手前には、50台ほど停めることができる無料駐車場も用意されています。
更に便利なのが、ハイキングのスタート地点にあるスーパーマーケット。ここで、お弁当や飲み物を調達が可能です。
スーパーの隣にある公民館には王寺町のゆるキャラ「雪丸」がお出迎え。モデルは聖徳太子が飼っていた犬だそうです。雪丸は人の言葉を理解でき、お経を読むことができたそうです。もはや、犬を超えた何か。
畠田古墳へ寄り道
早速、明神山へ登りたいところですが、その前に近くにある地元の古墳に寄ってみます。ハイキングコースの入口から徒歩10分程の場所に「畠田古墳」が存在。
住宅街の端っこに隠し通路みたいな場所があり、ホントに古墳があるのかと2分程歩いていると現れます。
7世紀頃に築造されたとされる古墳で、王寺町の終末古墳では最大級とのこと。墳丘、石室ともに良好な保存状態。見上げるかたちで鎮座し、なかなか迫力があります。
再び明神山へ
再びハイキングコースの入口に。ハイキングコース入口には巨大な鳥居が置かれています。
これは山頂に「水神社」があるためで、ここはハイキングコースでもあり、水神社の参道でもあります。
鳥居からしばらくは、住宅街を歩きます。そのため、あまり騒がしく歩いてはいけません。
住宅街を抜けるといよいよ明神山へ。この段階でかなり高い標高にあり、なかなかの景色が楽しめます。
住宅街は勾配がキツいですが、山に入ると比較的緩やか。道はコンクリートで整備され、登山というよりは散歩感覚です。
200mごとに残りの距離が表示されるので、あとどれぐらい頑張ればいいのか分かるのが良いですね。
明神山頂からの眺め
山頂には水神社と展望デッキが存在します。
水神社は、地域の農作業に欠かせない水の神様として祭られてきました。
かつての明神山には「送迎道」と呼ばれる柏原市国分と王寺町を結ぶ道が存在していました。一時期は送迎太神宮が創建され、おかげ参りで賑わっていたとのこと。
明神山の展望デッキは、360°ビューで楽しめるのが見所の一つ。奈良側の景色を眺めると、古墳がいくつか確認できます。ただ、勉強不足で、どれが何古墳なのかは分かりませんが…
いよいよ大阪側の展望デッキから、古市古墳群が見えるか確認です。ちなみにこの展望デッキは、デートスポットらしく、カップルもチラホラと。
大阪側デッキには「悠久の鐘」なるものが置かれており、2人で鐘を鳴らして変わらぬ愛を誓うのでしょう。
今回は家族で来て、和やかにスポットで記念撮影した風を装えましたが、これがオッサン1人で来ていたらと思うと震えが止まりません。
気を取り直して大阪方面を確認。問題の古市古墳群は…
バッチリ見えています!
古市古墳群どころか、淡路島まで見えます。平たいので分かりにくいですが、堺市の百舌鳥古墳群も見えているようです。明神山から百舌鳥・古市古墳群が見えるというのは、嘘偽りない事実でした。
古市古墳群が見えるのを確認できたので、とりあえず鐘をならして帰りました。
アクセス
公共交通機関
JR大和路線または近鉄生駒線「王寺駅」下車。奈良交通バス「明神四丁目」下車すぐ。
自動車
ハイキングコース入口鳥居近くに明神山登山者用駐車場が存在します。利用時間は9:00~19:00。