この時期に咲く美しい花の一つが「藤」なんですが、南河内には藤で有名なスポットがあるのをご存じでしょうか?
それは毎年4月中旬から5月初旬に開催される葛井寺の「藤まつり」。
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普段から多くの人が訪れる葛井寺ですが、藤まつり期間中は美しい藤を観賞するため、普段に増して多くの人で賑わいます。と言う訳で、今回は葛井寺の「藤まつり」に行ってきました。
葛井寺の入口は東門、西門、南大門の3ヶ所ありますが、藤まつり開催中は南大門しか開門していません。こちらの南大門は1790年に完成し、三間一戸の隣門で、入母屋造本瓦葺。
両脇に威厳のある仁王が立ち並らんでおり、南河内でも屈指の山門です。
仁王様の裏手には地獄絵図が置かれているんですが、これが結構リアルで子供なんかは見るのが怖いとか…
南大門をくぐると、藤を維持するための寄付を募っていました。藤まつりは無料ですが、藤を維持するのも中々手間暇がかかりそうです。寄付をすると、お返しに可愛い藤の絵馬と謎の粗品を頂きました。
福徳円満と藤の花の開花を祝う「葛井寺 藤まつり」。この藤の花は千年前から咲き続けていると言われていますが、葛井寺はさらに古い歴史があります。
葛井寺は百済の王族「辰孫王」の子孫である葛井氏が6世紀に氏寺として建立したと考えられています。葛井氏が表舞台から消えた後も、荒廃と復興を繰り返しますが、現在まで1300年もの歴史を持つ由緒あるお寺なんです。
葛井寺の藤は「紫藤」「白藤」「赤藤」の3種類。葛井寺の山号は「紫雲山」と言うだけに、境内には「紫藤」が一番多く咲いています。順番的には「紫藤」と「赤藤」が先に開花し、少し遅れて「白藤」が開花。
藤まつり中の境内は、藤の甘い香りに包まれてとても心地よい雰囲気。これほど多くの藤が見られるのは珍しいですね。
ただ、甘い香りに誘わるのは人間だけではなくクマバチも沢山やってきます。近くに飛んでくるとビックリしますが、暴れたりしなければ襲ってきませんので、そっとはなれれば大丈夫…
訪れた日は普段公開されていない「阿弥陀二十五菩薩堂」が有料で公開(300円)されていました。二十五菩薩とは臨終の際に、阿弥陀仏と共に迎えに来る菩薩と言われています。
ジブリの映画『かぐや姫の物語』のラストシーンで音楽を奏でながら姫を迎えに来るシーンで阿弥陀如来と二十五菩薩が登場しています。二十五菩薩がすべてそろっているというのは非常に珍しく、葛井寺の阿弥陀二十五菩薩堂は貴重な文化財のようです。
今回訪れた時は、拝観だけではなく写真撮影もOKとの事。堂内に立ち並ぶ神秘的な菩薩様達は圧巻です。撮影はしましたが、写真では中々この迫力伝わらないので、藤まつり開催中に拝観できるチャンスがあれば、併せてみておきたいところです。
葛井寺と言えば、国宝の千手観音が有名ですが、このように美しい藤棚や阿弥陀二十五菩薩堂も葛井寺の魅力の一つですね。
アクセスと駐車場
最寄り駅は、近鉄南大阪線「藤井寺駅」下車。南側出口から線路沿いに東へ歩くと商店街があります。そこから商店街に沿って南に歩いていくと葛井寺の西門が見えます。ここからでも入ることはできますが、正面から参拝したい場合は更に南へ歩きます。1分程歩くと交差点があり、左に曲がると葛井寺の南大門になります。
葛井寺に専用駐車場はありません。南大門のすぐ南側に少し広めのコインパーキングが存在します。ただ、ここのコインパーキングへ通じる道は少し狭く、人通りも多いので注意が必要です。
狭い道を走りたくないという人は、葛井寺から5分程の場所に藤井寺市営駐車場やコインパーキングもあります。
紫雲山 葛井寺データ
住 所:大阪府藤井寺市藤井寺1丁目16番21号
駐車場:南側にコインパーキングあり
参拝時間:8:00~17:00
アクセス:近鉄南大阪線藤井寺駅下車、徒歩5分
山号:紫雲山
宗派:真言宗御室派
本尊:十一面千手千眼観世音菩薩
開祖:行基(寺伝)
札所:西国三十三所第五番
河内西国三十三所特別客番
神仏霊場巡拝の道 第59番
楠公史跡河南八勝
文化財:
【国宝】乾漆千手観音坐像(本堂安置)※拝観料500円(毎月18日)
【重要文化財】葛井寺四脚門(切妻造、本瓦葺)
【府指定文化財】石造灯籠・金銅宝塔
【市指定文化財】聖観音菩薩立像・地蔵菩薩立像