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小白髪山古墳|清寧天皇陵に近い人が祭られる古墳?〜羽曳野市〜

小白髪山古墳

南河内の古墳を紹介する「ぶら古墳シリーズ」。今回は、羽曳野市西浦にある「小白髪山古墳」です。百舌鳥古市古墳群の一つですが、世界文化遺産登録リストには含まれていません。

小白髪山古墳とは不思議な名前をしていますが、これにはすぐ近くにある巨大前方後円墳と関係があります。小白髪山古墳と巨大前方後円墳とはどんな関係があるのか?今回は、羽曳野市にある「小白髪山古墳」を紹介します。

小白髪山古墳とは

小白髪山古墳は、全長46m、高さ4.5mの6世紀前半に築造された前方後円墳。宮内庁より清寧天皇陵の陪塚である「い号飛地」として指定されており、中に入ることはできません。

小白髪山古墳

元々は幅10メートルほどの周濠が存在していましたが、現在は道路や住宅地となっています。周辺からは円筒埴輪、形象埴輪や耳環、空玉、須恵器などの副葬品が見つかってたいます。古墳を覆う葺石は見つかっておらず、後期古墳の特徴を有しています国道170号線を挟んで正面には、清寧天皇を祭る「白髪山古墳」が存在しています。白髪山古墳も小白髪山古墳と同時代に築造されたといわれています。

清寧天皇陵(白髪山古墳)
清寧天皇陵(白髪山古墳

白髪山古墳の名前は、祭られている清寧天皇の容貌が由来とされています。というのも清寧天皇は、生まれつき白髪で、諱(いみな)も白髪皇子とも呼ばれていました。小白髪山古墳は、白髪山古墳の陪塚であるために、この名前がつけられたと考えられます。小白髪山古墳は白髪山古墳の墳丘中心線を延長した位置にあり、同じ方向に向いています。

小白髪山古墳

さらに墳形が前方後円墳でもある事から、小白髪山古墳に埋葬されている人物は、白髪山古墳の埋葬者に非常に近い人物が埋葬されていると思われます。

小白髪山古墳

白髪山古墳は前方部が後円部よりも、大幅に広いという特徴を持っています。しかし小白髪山古墳は、前方部と後円部がほぼ同じ幅になっており、同じ前方後円墳でも異なる姿をしています。ただ、年月を経て墳丘は改変されていると思われ、実際の形やサイズについてはよくわかっていません。

現在の小白髪山古墳

小白髪山古墳も住宅地に囲まれた場所に存在しています。古墳に興味を持つ前は、ただの空き地と思ってましたが、意識して見るとちゃんと前方後円墳の形になっています。中には入れず、案内板もありませんが、宮内庁の石碑はあるので古墳という事はわかります。

小白髪山古墳

一周ぐるっと回ってみたいところですが、ギリギリまで住宅地になっているため半周ほどしか見られません。住宅地と古墳の間が狭い上に、奥は行き止まりになっているので、あまりウロウロしていると不審者率が跳ね上がります。

小白髪山古墳

墳形は確かに前方後円墳のようですが、過去に改変されているようで本来の姿ではないようです。

小白髪山古墳

周辺の調査で出てきた円筒埴輪の年代は、5世紀後半~6世紀前半に築造されたのではないかと言われています。もしかすると、清寧天皇陵である白髪山古墳よりも少し早く築造された可能性があるようです。

小白髪山古墳

白髪山古墳に清寧天皇が埋葬されているとすれば、清寧天皇よりも先に亡くなった近親者が埋葬されているのかもしれません。

小白髪山古墳データ

古墳名小白髪山古墳
住所清寧天皇陵 い号飛地
墳形前方後円墳
全長46m
高さ4.5m
築造時期6世紀前半
埋葬施設不明
被葬者不明
参考資料

アクセスと駐車場

・公共交通機関
近鉄南大阪線「古市駅」下車。西へ直進し、国道170号線「軽里北交差点」へ。交差点を南へ直進し「軽里南交差点」を過ぎると清寧天皇陵が見えてきますので、その東側に存在します。

・自動車
小白髪山古墳に駐車場はありません。10分ほど歩いた場所に峰塚公園の有料駐車場があります。

周辺スポット

・清寧天皇陵
小白髪山古墳から徒歩約5分の場所にある古墳。小白髪山古墳の主墳であり、清寧天皇を祭る陵です。

・日本武尊陵/白鳥陵古墳
小白髪山古墳から徒歩約10分の場所にある古墳。古代の英雄、日本武尊の陵とされています。古市古墳群の一つで、世界文化遺産に登録されています。

・峯ヶ塚古墳
小白髪山古墳から徒歩約15分の場所にある古墳。古市古墳群の一つで、世界文化遺産に登録されています。埋葬者は不明ですが、大王クラスが埋葬されていたと考えられています。

・小口山古墳
小白髪山古墳から徒歩約15分の場所にある古墳。峰塚公園内に存在する終末古墳の一つ。

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