南河内に関する書籍を紹介していく「南河内ブックレビュー」。第4弾は「ザ・古墳群~百舌鳥と古市 全89基」です。前回の「河内飛鳥 (古代を考える)」に引き続き古墳関連になります。
百舌鳥古市古墳群について興味を持った時、どんな本を読めばいいでしょうか?百舌鳥古市古墳群に関する本は何冊かありますが、専門用語が多く、古墳に興味を持ち始めた人にとっては少し難しいかもしれません。
古墳の専門書ではよく「葺き石が~」「二段築成で~」「円筒埴輪が~」等の説明がされますが
「その説明聞いて、今の古墳を見てもよく分からない!」
と思ったりしませんか?つまり、今の古墳は葺き石も円筒埴輪も無く、草木が茂り何段築成かわからないからです。
また、古墳時代というのは「日本武尊(ヤマトタケル)」や「仁徳天皇」が知られているぐらいで、あまり一般的になじみがない時代というのも理解しにくい原因の一つかもしれません。
私も南河内へ来て仲哀天皇陵の存在を知った時「仲哀天皇って誰?」と思ったものです。いや、南河内に住んでる人でも仲哀天皇がどんな人か知る人は少ない気はしますが…
身近に存在するわりにイマイチよく分からない百舌鳥古市古墳群ですが、それを分かり易く紹介したのが「ザ・古墳群~百舌鳥と古市 全89基」です。
本書では、タイトルの通り百舌鳥古市古墳群全89基をカラーで紹介しています。説明では古墳の現在の形、エピソード、周辺の環境、雰囲気など古墳に興味を持ち始めた人の視線で古墳をカジュアルに紹介しているのが特徴です。
この本は読み易いだけではありません。堺市博物館の学芸員さん、藤井寺市百舌鳥古市古墳群世界遺産推進室長協力の下、古墳に関する基本情報もキッチリ説明しています。
そのため、古墳の基本情報、大王(天皇)の系譜、古墳の豆知識など、古墳の理解を深める情報もしっかり記載。
また、古墳周辺のグルメやスポットなども紹介されているため、古墳巡りには非常に役立つ本となっています。
近年、百舌鳥古市古墳群は世界遺産に推薦され、注目が集まっています。百舌鳥古市古墳群を知る最初の本としては非常に分かり易い一冊になるのではないでしょうか。
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