突然ですが、大仏って気になりませんか?誰が、いつ、何の為に、どうやって作ったのか・・・大仏を見ているとついつい空想が膨らんでいきます。
なぜこんなことを書いたかと言うと、先日河内長野を走行中に大きな大仏が目に入ってきたからです。大仏好きとしては気になるところ…
という訳で、今回は河内長野市の極楽寺にある「河内錦渓大仏」を紹介します。
極楽寺とは
極楽寺の正式名称は「錦渓山 極楽寺」。創建の由来は飛鳥時代。聖徳太子が推古天皇の病気平癒を願い、杉の根元に湧く霊水を差し上げると病気が完治したそうです。そこで聖徳太子が薬師如来を刻んで本尊としたのが極楽寺のはじまりとされています。
一時、廃れましたが、1321年に融通念仏宗の法明上人によって再興されています。
大仏の基準
ところで、仏像はどれぐらい大きければ「大仏」と呼ばれるのでしょうか。「仏」と「大仏」の境界線はお釈迦様の実際の身長になります。言い伝えによるとお釈迦様の身長は4.85m。(デカすぎですね)
つまり4.85mを超えると大仏と呼ばれます。奈良の大仏のように座っている場合は半分の約2.4mあれば大仏認定です。(あくまで目安)
世界の大仏事情
河内錦渓大仏を紹介する前に、世界トップクラスの大仏事情はどうなっているのか、河内錦渓大仏と比較するために見ていきたいと思います。
・世界一 中国の魯山大仏128m 階段の上の米粒のようなものが人間です。
By Zgpdszz (Own work) [CC BY-SA 3.0], via Wikimedia Commons
・日本一 牛久大仏の110m(世界3位) 周りの木と比べるとその巨大さが伺えます。
奈良の大仏は15mですがそれでも巨大に感じます。128mとなると感覚が狂ってきそうですね。
ちなみに牛久大仏は巨大すぎて手のひらに奈良の大仏が乗るとも言われています。ここまでデカイと崇拝の対象としてではなく単にデカくて凄いが気になり過ぎてありがたさが薄れるような・・・
極楽寺と河内錦渓大仏
河内錦渓大仏のある極楽寺は、河内長野市を走る旧170号線沿いの高台にあります。寺の隣には極楽寺の系列と思われる幼稚園が併設。高台にあるため、境内からは河内長野の景色が一望できます。
正面は非常に広い門前ですが、それに反して意外と小さな山門です。
山門をくぐると直ぐに本堂があります。ドーンと大きく広がった屋根が印象的な本堂です。
極楽寺の属する融通念仏宗ですが、日本の仏教は古来「13宗56派」に別れており、融通念仏宗は13宗中6番目に出来た歴史ある宗派です。総本山は大坂市平野区にある大念仏寺で、観音様の姿をした人々が次々とでてくる「万部おねり」が有名です。
さて、本命の大仏は本堂のすぐ隣に鎮座しています。
大仏の大きさは台座を除くと約3mほどの座像。台座部分は納骨堂となっております。写真ではあまり大きく見えませんが、実物はかなり大きく感じます。
大仏のポイントである「姿勢」と「手の組み方」を見てみましょう。大仏の姿勢は下記のように大きく3つにわかれます。
・立像(りゅうぞう)・立っている像。積極的に救済しようとしている
・坐像(ざそう)・・・座っている像。どうやって救済したらいいか考えている
・臥像(がぞう)・・・横になっている像。釈迦如来像のみ
という意味に分かれています。河内錦渓大仏は坐像ですので考え中という事ですね。
手の組み方を見ていただきたいのですが、河内錦渓大仏の手の組み方は「釈迦の五印」の一つ「定印(ぜんじょういん)」といい、瞑想中もしくは悟りを開いているという意味になります。
魯山大仏や牛久大仏の手の組み方は「釈迦の五印」の一つ「施無畏印(せむいいん)・与願印(よがんいん)」になります。この組み方は「安心してお話を聞きますよ」を表しています。
河内錦渓大仏の場合は納骨堂の上に建てられているので、積極的に悩みを聞いていくというよりは、安置されているご先祖様に寄り添うというイメージで建てられたのかもしれません。少し詳しい事情を知りたかったのでお寺の方にいくつかお聞きしたのですが、前住職が作られたもので詳しい資料が残っていないとの事でした。
隣が幼稚園という事もあり人の往来も多く、活気のあるお寺でした。河内錦渓大仏は大仏の中では決して大きい部類には入りませんが、近くで見ると迫力があり見ごたえがある大仏です。
大仏を見るだけではなく、姿形や手の組み方などを意識してみると意外な発見があるかもしれませんね。河内長野も歴史ある神社仏閣が非常に多い場所ですが、極楽寺も見応えのある魅力ある寺院でした。
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錦渓山 極楽寺
住 所: 大阪府河内長野市古野町12-1
電 話:0721-52-2119
アクセス:近鉄長野線・南海高野線 河内長野駅下車 徒歩約10分
駐車場あり