南河内の古墳を紹介する「ぶら古墳シリーズ」。第39回は富田林市にある「廿山古墳(つづやまこふん)」と「二本松古墳」です。
廿山古墳&二本松古墳とは
2つの古墳は隣り合うように存在しています。「廿山古墳」は全長48mの前方後円墳。「二本松古墳」は直径13mの円墳。共に4世紀後半に築造されたと考えられています。1999年に大阪府指定文化財(史跡)に指定。
「廿山古墳」「二本松古墳」共に埋葬施設は判明していませんが、主体部は粘土槨であったと考えられています。明治時代の1883年に鏡、銅鏃(やじり)、刀剣などが出土したとされ、そのうち銅鏃(やじり)9本が東京国立博物館に収蔵されています。
埋葬者は明らかになっていませんが、周辺を治めた豪族が埋葬されていたと思われます。廿山古墳が全長48mの前方後円墳である事から、豪族の中でもそれなりに地位の高い人物だったかもしれません。
全然関係ありませんが、「廿山」で「つづやま」と読むのは中々の難読地名ですね…。パソコンで「つづ」って打っても出てきませんし…
現在の廿山古墳&二本松古墳
廿山古墳と二本松古墳は廿山集落の南にある130mほどの丘に存在します。両古墳の変わったところは何と言っても「トンネルの上にある事!」両古墳は錦織と寺池台を結ぶ市道「川西半田線」廿山トンネルの上にあるんです。
これは市道の開通と古墳の保存を両立させるため、トンネルを建設して両立させるというものでした。こうした取り組みは当時、市道において例がなく、全国から注目されたそうです。
開発により多くの古墳や遺跡が失われていきましたが、こうした町の努力により貴重な史跡が残されるというのは素晴らしい取り組みです。ただ残念な事に、どちらの古墳にも入ることはできません。
行ってもトンネルの下から見上げる事しか出来ないので、端から見たらトンネルを見つめている不審者になりそうですが…
アクセスと周辺スポット
近鉄長野線「滝谷不動駅」より徒歩約15分。
両古墳のすぐ南には、富田林市最大の公園「錦織公園」が存在します。公園内にある大きな滑り台は子供達に人気。四季の自然も美しく大人から子供まで楽しめる公園です。
また、錦織公園内には「堂ノ山古墳」と言う終末古墳も存在し、古墳ファンにもオススメです。
両古墳の周辺に駐車スペースはありませんが、土日のみ錦織公園の北臨時駐車場に駐車可能です。ただし、620円と有料となります。
ちなみに廿山古墳のすぐ南にある川田屋さんは、南河内でも有名な和の鶏料理店です。
廿山古墳データ
古 墳:廿山古墳(すずやまこふん)
墳 形:前方後円墳
築造の時期:4世紀後半
所 在 地:大阪府富田林市廿山2丁目2-22
全 長:48m
高 さ:不明
埋葬の施設:粘土槨(?)
埋 葬:不明
二本松古墳データ
古 墳:二本松古墳
墳 形:円墳
築造の時期:4世紀後半
所 在 地:大阪府富田林市廿山2丁目2-22
全 長:13m
高 さ:不明
埋葬の施設:不明
埋 葬:不明