2024年に新しい紙幣へと変わると言うことで「紙幣とゆかりのある南河内の人物は誰なのか」を調べてみるシリーズ。第二回目の人物は「日本武尊」です。
日本武尊と紙幣
日本武尊の紙幣
日本武尊は1945年に千円札として採用されています。第二次世界大戦終了直後に発行され、1年足らずで流通が停止になったと言うレアな紙幣。
当時の千円が現在どれ程の価値かは、比較する対象により幅があります。日銀が発表している企業物価指数で比較すると約190倍。現在の価値で1枚約19万円と言う非常に高額な紙幣になります(50万~数百万と諸説あり)。ちなみに、コレクションとしては30万円前後で売買されているようです。
発行期間が短かった事、高額紙幣だっ事、1946年の失効後ほとんどが回収された事などから、現存する紙幣は少ないとされています。
デザインは、右側に日本武尊、左側に日本武尊を祭る滋賀県の「建部大社」が描かれています。建部大社は近江国の一宮として日本武尊を祭る由緒ある神社。
日本武尊のビジュアルは「みずら」と呼ばれる、古代人の髪型をしたオーソドックスなスタイル。甲冑を身にまとい、いかにも戦士といった感じです。首に巻かれた勾玉は古墳から出土するお馴染みの品。古代の中国において美しい石は「璧」と呼ばれ城と同じぐらいの価値がありました。そうした影響が日本にもあったのかもしれません。
しかし頭につけている板みたいなのはなんでしょうか?ちょっと豪華にしてみたかったんですかね?防御力が低い割には、凄く動きにくそうなんですが…
日本武尊とは
日本武尊の当初の名前は「小碓命(オウスノミコ)」。父は景行天皇、息子は仲哀天皇になります。
日本武尊は父の命により九州の熊襲征伐へ出立。女装の計略で熊襲の指導者「熊襲建(クマソタケル)」を殺害します。熊襲建は死ぬ間際に小碓命の武勇を称え、ヤマトタケル(倭建)の名を授けたと言われています。
熊襲討伐後すぐに東国征伐を命じられると、多くの国を討伐し勢力拡大に貢献。しかし帰路に伊吹山の神との戦いで病に犯されてしまいます。最後は大和へたどり着く事なく力尽きた、悲劇の英雄。
三重に埋葬された日本武尊は白鳥となり飛び立ちます。河内に降り立ち、そこに陵が築かれたあと、再び飛び立ち昇天したと言われています。
日本武尊と南河内ゆかりの地
日本武尊の陵は3つ存在します。そのうちの一つが、羽曳野市に存在する「白鳥陵(白鳥陵古墳)」です。
また、かつて白鳥陵の墳丘には「伊岐宮」という日本武尊を祭る神社があったとも伝えられています。伊岐宮はその後、紆余曲折を経て白鳥神社と名前を変えて古市駅横に存在しています。
羽曳野の由来は、白鳥が飛び立った際「埴生の丘を羽を曳くがごとく飛び立った」と言う伝説からきています。日本武尊の陵を持つ羽曳野市は日本武尊とゆかりのある土地と言えるでしょう。