南河内の古墳を紹介する「ぶら古墳シリーズ」。今回は、羽曳野市にある「二ツ塚古墳」です。百舌鳥古市古墳群の一つで世界遺産リスト「33-3」に登録されています。
二ツ塚古墳とは
二ツ塚古墳は全長110m、高さ9.9mの4世紀後半に築造された前方後円墳。周辺からは、円筒埴輪や形象埴輪が出土しています。宮内庁に管理されているため、中に入ることはできません。
二ツ塚古墳は応神天皇陵の内堤に食い込む形で存在しています。なぜそんな不思議な事になっているのか?それは二つ塚古墳が応神天皇陵が築造されるより、50年ほど前に築造されているからです。
応神天皇陵を築造する際、元から存在した二ツ塚古墳を配慮して築造しています。そのため、応神天皇陵の内濠と内堤は二ツ塚古をよける様にカーブしています。
では、違う場所に築造すればいいのではないかと思いますが、そうもいかないようです。おそらく、二つ塚古墳の埋葬者は応神天皇にとって重要人物の為、近くに築造する必要があったと思われます。
現在の応神天皇陵より東に築造すると石川沿に接してしまいます。北には既に仲津山古墳があり、西側は巨大な古墳を築くには地盤的に問題がありました。
このような理由から、二つ塚古墳に食い込むように応神天皇陵は築造されたようです。
現在の二ツ塚古墳
二ツ塚古墳は住宅地に囲まれている上に、応神天皇陵とほぼ一体化しているので、少しわかりにくい古墳です。
西側は応神天皇陵と接し、南北は住宅に接しています。東側はテニスコートになっており、フェンス越しに、古墳の側面を確認する事が出来ます。ただ、テニスコートのフェンスには「応神天皇陵古墳」と書かれていますが・・・
仮に「二ツ塚古墳」と書いたところで、知らない人が見たら「この大きな古墳が二ツ塚古墳かぁ」と思う人がいるので仕方がないかもしれません。
フェンス越しに見ても雑木林にしか見えないので、コメントのしようがない困った古墳です。応神天皇に親しい人物の誰が埋葬されているのか?その点に置いて興味深い古墳と言えます。
ちなみに同じテニスコートの脇には応神天皇陵の陪塚「東馬塚古墳」も存在します。フェンス越しになりますが近くで見ることが可能。また、二ツ塚古墳から徒歩5分ぐらいのところにも応神天皇陵の陪塚「栗塚古墳」も存在します。
二ツ塚古墳古墳データ
古墳名 | 二ツ塚古墳 |
住所 | 大阪府羽曳野市誉田6丁目 |
墳形 | 前方後円墳 |
全長 | 110m |
高さ | 9.9m |
築造時期 | 4世紀後半 |
埋葬施設 | 不明 |
被葬者 | 不明 |
参考資料 | ・古市古墳群をあるく【久世仁士】 ・古市古墳群を歩く |
アクセスと駐車場
・公共交通機関
近鉄南大阪線「古市駅下車」。駅から西に向かい、国道170号旧外環線線にでます。旧外環状線を北に少し歩くと、左側に誉田八幡宮方面に続く東高野街道に入ります。道なりにあるくと、東高野街道の石碑がある二又にでるので左側の道を直進。少し歩くとテニスコートがあり、その駐車場の奥が二ツ塚古墳となります。
・自動車
二ツ塚古墳に駐車場はありませんが、目の前にコインパーキングが存在します。国道170号外環状線「西古室交差点」を東に曲がります。道なりに走り、西名阪自動車道の高架下をくぐったところを右折。そして最初の交差点を右折して道なりに進むとテニスコートがあり、右側にコインパーキングがあります。二ツ塚古墳近くは道が非常に狭くなっているため注意が必要です。
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