南河内の古墳を紹介する「ぶら古墳シリーズ」。今回は富田林市にある「小金平古墳(こがねひら古墳)」です。小金平古墳群の中で唯一現存する古墳になります。
小金平古墳とは
小金平古墳は、全長約9m、高さ不明の7世紀頃に築造された円墳。
周辺には、弥生時代から中世にかけての遺跡が存在しており、遺跡と共に古墳も多く存在します。
小金平古墳群は小金平古墳、宮林古墳、樟木谷古墳、葉面山古墳、クロイケ古墳、樟木谷古墳から構成されています。ただし、多くの古墳は開発により消滅。小金平古墳も開発の対象となりましたが、石室のみ別の場所に保存されています。
埋葬施設は、幅約1m、奥行き約4mの横穴式石室。墳丘は削られ、天井石は残されていませんでした。
この古墳には、2回追葬された事が判明している他、副葬品として、須恵器など数点みつかっています。
小金平古墳は周辺の遺跡を見下ろすように築造されており、一帯を支配する豪族が埋葬されていたと考えられています。
現在の小金平古墳
小金平古墳は、もともと現在地よりも東側の羽曳野丘陵に存在していました。現在は「甲田西児童遊園」に移設、保存されています。
古墳が公園になるパターンはありますが、公園に古墳が移設されるパターンは珍しいかもしれません。
保存と言う事ですが、特に柵があるわけでもなく、入りたい放題になっています。公園にこんな小高い山があったら、子供が登りまくって墳丘は大丈夫なのかと思いますが、ご安心ください。
墳丘と石室をコンクリートでガチガチに固めて防御するという大胆な策で解決しています。賛否が分かれそうな保存方法ですが、子供の頃から古墳に親しむ事ができるので、これはこれでありかもしれません。
甲田西児童遊園は上段と下段に分かれる二段構造になっています。小金平古墳は下段にあるため、上段へ行けば古墳を上から眺められる事ができるのがいいですね。
ただ、子供達が遊んでいる中、一人で古墳を激写していると、不審人物感がでてしまうので注意が必要です。
アクセスと周辺スポット
近鉄長野線「富田林西口駅」より徒歩7分。周辺に駐車スペースはありませんが、小金平古墳から徒歩約5分ぐらいの場所に、すばるホールの有料駐車場が存在します。
周辺にはPL教の象徴とも言える「PLの塔」。色鮮やかで美しい本殿で知られる錦織神社もオススメスポットです。
小金平古墳データ
古墳:小金平古墳
墳形:円墳
築造時期:7世紀中頃
住所:大阪府富田林市甲田20-19
全長:9m
高さ:不明
埋葬:不明
埋葬施設:横穴式石室