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謎の神様「チリンサン」とは?~富田林市~

チリンサン

富田林市の甲田にある「チリンサン」という神様をご存じでしょうか?名前からどんな神様なのか想像しにくいのですが、富田林市の甲田地区では、古くから大切にされている神様なんです。変わった名前のチリンサンとは、どのような神様なのか?今回は、富田林市甲田にある「チリンサン」を紹介します。

謎の神様チリンサン

富田林市甲田地区へ至る坂道に「チリンサン」は、祭られています。チリンサンがいつから祭られているのかは分かっておらず、名前の由来も不明。富田林市の民話「ちりんさんの坂」によると、昔は祠の中に丸い石がいくつか納められた姿だったようです。

チリンサン

この姿からチリンサンは、「賽の神(さいのかみ)」として祭られていたと考えられています。賽の神は、外から邪気を防ぐために、村の境界などに祭られる神様。富田林市内には、いくつか賽の神が残されており、同市にある板茂神社には、丸い石が納められた祠が存在します。

板茂神社境内にある塞の神
板茂神社境内にある塞の神

チリンサンは、いつの頃か石は持ちさられて祠は消失。しかし、チリンサンが存在した坂は、神様が宿る場所として「チリンサンの坂」と呼ばれていました。チリンサンの坂は神聖な場所とされ、今でもこの地区の人たちは、お葬式にこの坂を通らないとのこと。現在、チリンサンの坂の一角が整備されて、丸い石が再び祭られています。

チリンサンへ行ってみました

先日、新家古墳へ行った際に、チリンサンが近くにあることを思い出し、寄ってみることに。新家古墳から10分ほど歩き、目星をつけた路地の坂に入ると、そこがウワサの「チリンサンの坂」でした。

チリンサン

坂を上ると右側にスペースがあり、チリンサンが祭られています。このスペースには丸い石が5個組み合わさったものが2組、石で作られた家、チリンサンと彫られた石碑が置かれています。

チリンサン

賽の神には決まったスタイルがなく、丸い石が祠に納められるパターンもあれば、複数の丸い石が置かれているだけのパターンも。しかし、現代のチリンサンは、なかなか斬新的なスタイルの賽の神となっています。

まず、チリンサンと彫られた真っ赤な石碑が非常に目を引きます。石碑といえば、灰色の石が一般的ですが、赤い石とは思い切ったチョイス。なかなかインパクトがあっていいですね。

チリンサン

一般的な石碑は長方形が主力ですが、チリンサンの石碑は台座の上に正円形の石が置かれた独特なスタイル。石の色といい、形といいこだわりを感じます…赤い石碑の隣には、ミニチュアの石造りの家と、その両側に丸い石が存在。こちらがチリンサンのようです。

チリンサン

かつては、祠の中に石が納められていたそうですが、ガラッとイメージを変えてきました。丸い石はわかりますが、石の家はどんな意味があるのでしょうか…こうやって見ると、名前も可愛らしいですが、実際のチリンサンもユニークで可愛い姿ですね。

公共性の高いものは、無難なデザインや色に落ち着きがちです。しかし石碑や家のスタイルをみると、なかなかエッジが利いています。こんなところに地域の個性がでるのがユニークですね。しかし、このスタイルは誰が考えたのでしょうか…

まとめ

変わった名前の神様のチリンサンですが、実際に行ってみると、とても可愛くユニークな神様でした。ちなみに、子どもたちが石をならべかえていたずらしても、翌朝には元通りになっている伝説があるとか。今回は、富田林市甲田にある「チリンサン」を紹介しました。近くを通ったときは、一度お参りしてみてはいかがでしょうか?

アクセスと駐車場

住所:大阪府富田林市甲田2丁目16

・公共交通機関
近鉄長野線「川西駅」下車。東へ進み、旧170号線を横断。二又に分かれるので、左側の道を直進。最初の左折する道を直進してすぐ。

・自動車
チリンサンに駐車場はありません。川西駅付近でコインパーキングに停めて、徒歩がオススメです。

周辺スポット

・錦織神社
新家古墳から徒歩3分程の場所にある神社。本殿の「錦織造り」は、日光東照宮にも影響を与えたといわれています。

・新家古墳
チリンサンから徒歩約10分の場所にある古墳。5世紀中頃の築造されたと考えられる古墳ですが、私有地にあるため中に入ることはできません。

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