富田林市加太にある「龍雲寺」をご存じでしょうか?龍雲寺は、狭山藩主の菩提寺とされた由緒あるお寺として知られています。そんな龍雲寺には「ブッダの生涯を追体験できる像」が置かれているのです。ブッダの生涯を追体験できるとはどのようなものなのか?今回は、富田林市加太にある「龍雲寺」を紹介します。
龍雲寺とは
もともとは、河内長野市石見川に存在していた真言宗の古寺でした。1724年に狭山藩の藩主「北条氏(後北条氏の子孫)」の援助のもと、独園和尚が現在地に開山。後に黄檗宗に改修し、狭山藩主、狭山藩士、加太新田農民の菩提寺とされてきました。
黄檗宗は江戸時代に創始された宗派で「日本三大禅宗」の一つ。幕府の庇護を得たことで大名の支援も篤く、狭山藩主の菩提寺になったのもそのような背景があるようです。堺市美原区にある「法禅雲寺」も黄檗宗のお寺で、こちらも北条氏の菩提寺とされています。
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龍雲寺に行ってきました
今回は、すぐ近くにある「五軒家神社」に行ったついでに寄りました。この辺りは古い町並みが残る地区で道が細く、車で行くと対向車が来ないかとハラハラしましたが、無事にに到着。お寺は住宅地にありますが、比較的広い駐車場でした。
こちらが龍雲寺の山門。黄檗宗のお寺は中国テイストなお寺が多く、独特の山門を持つお寺もあります。しかし、龍雲寺の山門は、一般的なお寺の山門でした。
お寺の隣は畑になっているので、開放的な境内。
まずは、本堂でお参り。
本堂の正面には、「布袋さん」が鎮座しています。布袋さんは、弥勒菩薩の化身とされ、黄檗宗の寺院で多く祭られています。
ちなみに龍雲寺の本尊は「十一面観世音菩薩」で、平安時代後期の作と伝わっています。
本堂の柱には「河内西国巡礼第四番」と書かれ看板が掛けられていました。
河内西国巡礼とは、江戸時代に始まったとされる観音巡り霊場の一つ。主に中河内、南河内の寺院を中心とした33ヶ所のお寺と、4ヶ所の特別客番寺院で構成されています。
南河内においては、西方院(太子町)、大林寺(松原市)、法雲禅寺(堺市美原区)、大黒寺(羽曳野市)、浄谷寺(富田林市)、楠妣庵観音寺(富田林市)、叡福寺(太子町)、葛井寺(藤井寺市)、高貴寺(河南町)などが河内西国巡礼として知られています。
境内は四季の花が楽しめるようで、特に7月〜8月にかけて咲く「大賀蓮」「千年蓮」が特に有名とのこと。今回の訪問時は、蓮の時期ではなりませんでしたが、こちらで美しい花を咲かせるようです。
お釈迦様の生涯を追体験
龍雲寺の境内には「お釈迦様の生涯を追体験できる像」がいくつか置かれているので、グルっと回ってみましょう。
・誕生
お釈迦様は、今から約2500年前にインド北部に存在したシャーキヤ国の王族としてとして誕生。言い伝えでは、釈迦が生まれた時に七歩あるいて一手を天に向け一手を地に向けて「天上天下唯我独尊」と唱えたそうで、その姿がモチーフになっているようです。
・出家(29歳)
王族として何不自由のない生活を送っていたお釈迦様ですが、あるとき王族の地位を捨て出家することに。
・苦行(29歳〜35歳)
出家したお釈迦様は、断食や体を痛めつける苦行を6年間行いました。このやせ細った姿はそれを表しています。後にお釈迦様は、体を弱らせるだけの苦行に疑問をいだいたため苦行を中止します。
・成道(35歳)
「道」すなわち悟りを完成することを意味します。ピッパラ樹の下に坐して瞑想に入り、悟りに達して仏陀となりました。
・説法(55歳〜80歳)
悟りを開いた跡のお釈迦様は、各地を回ることで多くの人が仏教に帰依しました。大国であるマガダ国の王ビンビサーラが仏教に帰依し、竹林精舎を寄進したのもこの時期です。
・涅槃(80歳)
45年間、仏の教えを説き続けたお釈迦様ですが、病に侵されます。サーラの気に横たわったお釈迦様は、弟子たちに最後の教えを説き、80年の生涯を終えます。
謎の玄奘三蔵法師
なぜか説法と涅槃の間に、西遊記でおなじみの「三蔵法師」の像が挟み込まれていました・・・。ここに三蔵法師像が置かれている意味はよくわかりませんでしたが、いい置く場所がなかったのかな・・・?
まとめ
お釈迦様の生涯を追体験できる「龍雲寺」を紹介しました。小さなお寺でしたが、境内は非常に清潔に保たれており気持ちよく参拝できました。
美しい千年蓮も見どころの一つということで、次回は蓮の実頃にも訪問してみたいと思います。
龍雲寺データ
住所 | 富田林市加太2-11-19 |
山号 | 智福山 |
宗派 | 黄檗宗 |
本尊 | 十一面観世音菩薩 |
開祖 | 独園和尚 |
札所 | 河内西国巡礼第四番 |
アクセスと駐車場
・公共交通機関
南海高野線「大阪狭山市駅」下車。駅から東へ歩き、川を渡ります。川を渡ると三叉路にでるので北の道を進みます。しばらく歩くと左側にJAがあり、過ぎてすぐを右折。少し歩き突き当たりを左折すると龍雲寺が存在します。
・自動車
龍雲寺には無料の駐車場が存在します。府道202号森屋狭山線「久野喜台2丁目交差点」を北に曲がります。道なりに走り、左側に橋がある交差点を右折。曲がってすぐを北に走ります。少し走ると左側にJAがあり、過ぎてすぐを右折。少し歩き突き当たりを左折すると龍雲寺が存在します。
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