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大堀八幡神社|なぜ平成にお引っ越し?〜松原市

大堀八幡神社の鳥居

南河内の神社を紹介する「となりの鎮守様」シリーズ。今回は、松原市大堀にある「大堀八幡神社(おおほりはちまんじんじゃ)」です。大堀八幡神社は、もともと現在地よりも少し北に存在していましたが、平成27年に現在地に遷座しています。

新たに社殿を立て直した大堀八幡神社ですが、なぜこの時代に場所を移すことになったのか?今回は、松原市大堀にある「大堀八幡神社」を紹介します。

大堀八幡神社とは

大堀一帯は、南北朝時代に大堀左馬という武将が「大堀砦」を築いていたことから「大堀」と呼ぶようになったといわれています。大堀八幡神社は、1337年(建武4年)に近隣の深居神社より、品陀別命(応神天皇)を分祀して創建。当初は大堀八幡神社ではなく「産土神社(うぶすなじんじゃ)と称していました。

深居神社
深居神社

創建してから明治時代に入るまでの歴史は、よくわかっていません。ただ本殿より、1702年(元禄15年)の棟札が見つかっており、江戸時代前半に本殿が建てられたらと考えられています。1872年(明治5年)に村社に列し、1888年(明治21年)に産土神社から現在の「大堀八幡神社」に改称しています。

なぜ平成にお引っ越し?

もともと大堀八幡神社は、現在地より北に300mほどの場所に存在していました。昭和に入り、中央環状線、阪神高速、西名阪自動車道、近畿自動車道、阪和道、松原ジャンクションが建設されたため、一帯の住民は南側に移転。住民は移転したものの、神社はそのままだったため、大堀八幡神社と住民が、ジャンクションにより分離される状況に陥ります。

そのため、2008年(平成20年)に移転が検討され、2014年(平成26年)に松原市大堀給食センター跡に移転が決定。2015年(平成27年)に移転が完了し現在に至ります。

現在の大堀八幡神社

大堀八幡神社は、西名阪道自動車道「大堀出口」の南側に存在します新しく遷座した大堀八幡神社の北側は、学校のグラウンドになっており、賑やかな声が聞こえてきます。神社の東側が大堀町会防災センターとつながっており、境内は実際よりとても広く感じます。

大堀八幡神社の隣にある大堀町会防災センター

こちらは、平成27年に奉納された真新しい鳥居。

大堀八幡神社の入口

正面鳥居をくぐり、左側にある手水舎。こちらも真新しい感じです。

大堀八幡神社の手水舎

手水舎の裏側には、旧社地にあったと思われる石碑や灯篭が置かれています。松原市のホームページによれば、旧社地から移設した灯篭は、宝永七年(1710年)に奉納されたものとのこと。

大堀八幡神社の鳥居

こちらは、コンパクトサイズな百度石。一般的に参道の中央に置かれていますが、近年は百度参りをする人も少ないのか、脇におかれています。

大堀八幡神社の百度石

鳥居は2ヶ所あり、境内の西側にも存在します。西側鳥居の脇には、小さな水盤が置かれていますが、旧社地で利用されていたものでしょうか?

大堀八幡神社の西鳥居
大堀八幡神社の手水舎

こちらが、大堀八幡神社の正面。新しい狛犬と石灯篭が置かれています。

大堀八幡神社の拝殿

拝殿の右側には、摂社が建てられています。「豊橋・楠本稲荷社」とあり、一つの社に2柱の稲荷様が祭られているのでしょうか?こちらも旧社地の社をそのまま移築し、覆屋が設けられたとのこと。

大堀八幡神社の稲荷社
大堀八幡神社の稲荷社

こちらが拝殿。扁額に「八幡神社」と書かれていることから正式名称としては「大堀八幡神社」ではなく「八幡神社」のようです。

大堀八幡神社の拝殿
大堀八幡神社の拝殿
大堀八幡神社の扁額

ちなみに、2020年のお正月に参拝に訪れたときは、拝殿が開かれて中で参拝できました。もしかすると、お正月以外にも、開かれている日があるのかもしれません。

大堀八幡神社の拝殿内

拝殿の奥に本殿が存在。本殿は、覆殿内に存在し、江戸時代に造られたと考えられる木造建築。一間社流造・側面一間・浜縁付き・千鳥・軒唐破風付・柿葺とのこと。遷座前は、本殿はそのまま同じですが、覆殿や拝殿は、鉄筋コンクリート造でした。今回の遷座により、拝殿、幣殿、覆殿全てに桧が使われています。

整備された旧社地

もともと存在していた旧社地が、現在も残されています。現在地より北に300mほどの場所にあるので寄ってみることに。周辺では様々な工事が行われ、開発が進んでいるようです。大堀八幡神社の旧社地もその一環なのか、きれいに整備中。

大堀八幡神社の旧社地

旧社地で利用されていた玉垣などが、一ヶ所にまとめられています。

大堀八幡神社の旧社地2

社殿跡の手前は、赤い石が敷き詰められ、ちょっとオシャレな感じ。

大堀八幡神社の旧社地3

一段高くなっている場所に本殿が置かれていたようです。

大堀八幡神社の旧社地5

壇上の奥には玉垣と縄が張られ、この場所に御神体を祭っていたと思われます。

大堀八幡神社の旧社地4

まとめ

大堀八幡神社の境内

歴史ある神社ながら、近年新しく建て直された「大堀八幡神社」を紹介しました。神社といえば、古い社殿が思い浮かびますが、全てが真新しいという不思議な空間でした。また、旧社地の扱いも少し特殊です。南河内にも合祀などで遷座した後も、旧社地が残されている場所はあります。しかし、大堀八幡神社のように、整備され広々と保存されている所は珍しいかもしれません。

大堀八幡神社データ

住所大阪府松原市大堀4丁目1-8
祭神品陀別命(応神天皇)
摂社豊橋・楠本稲荷社
旧社格村社
式内社無し
祭礼1月1日:歳旦祭
1月成人の日:お焚き上げ祭り(大どんと)
2月3日:節分祭
7月14・15日:夏祭り
10月14・15日:例祭(秋祭り)
12月31日:除夜祭
参考資料大阪府神社名鑑、松原の神社、松原市ホームページ

アクセスと駐車場

公共交通機関
近鉄南大阪線「恵我ノ荘駅」下車。駅を出て少し南に歩き、府道188号郡戸大堀線を北に進みます。府道12号堺大和高田線にでたら左折。直進して二つ目の信号を右折。道なりに10分ほど直進すると、阪和自動車道の高架がありので、くぐりさらに直進。少し歩き2つめの信号を左折し少し歩いたところに大堀八幡神社があります。

自動車
大堀八幡神社に駐車場はありませんが、徒歩1分ほどの場所にコインパーキングが存在します。

周辺スポット

深居神社
大堀八幡神社から徒歩約10分の場所にある神社。大堀八幡神社は、深居神社より品陀別命(応神天皇)を勧請したと伝わっています。

屯倉神社
大堀八幡神社から徒歩約20分の場所にある神社。菅原道真ゆかりの神社で、3月上旬には梅林が開かれます。開運松原六社参りの一つで、年始には多くの人で賑わいます。

熱田神社
大堀八幡神社から徒歩約10分の場所にある神社。大阪府下の神社では珍しく日本武尊を祭っています。境内にはキリシタン灯篭と言われる灯篭も残されています。

若林神社
大堀八幡神社から徒歩約10分の場所にある神社。大堀八幡神社と同じく、深居神社より品陀別命(応神天皇)を勧請した神社。

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