羽曳野市 羽曳野市の神社仏閣

日吉神社|地名の蔵之内は古代豪族の名前から?~羽曳野市~

日吉神社(蔵之内)の鳥居3

南河内の神社を紹介する「となりの鎮守様」シリーズ。今回は、羽曳野市蔵之内にある「日吉神社(蔵之内)(ひよしじんじゃ くらのうち)」です。




羽曳野市にはいくつか日吉神社があり、蔵之内の日吉神社もその一つ。蔵之内は、古くから豊かな土地として知られており、ある古代豪族が本拠地としたとの説があります。

蔵之内と豪族には、どのようなつながりがあるのか?今回は、羽曳野市蔵之内にある日吉神社と蔵之内の歴史について紹介します。

日吉神社(蔵之内)の歴史

日吉神社は1489年(延徳元年)に、日吉神社総本宮である滋賀県の「日吉大社」から勧請されました。祭神は、日吉大社と同じ「大山咋神 (おおやまくいのかみ)」




蔵之内一帯は、農業が盛んであったことから「農業の神様」でもある大山咋神が信仰されていたようです。

滋賀県にある「日吉大社」Wikipediaより

創建から幕末にかけての歴史は不明ですが、1872年(明治5年)に村社に指定。1907年(明治40年)に政府の神社合祀政策により、西浦の日吉神社に合祀されます。

1962年(昭和37年)に西浦の日吉神社から独立して現在地に再建。2010年(平成22年)に拝殿を改修しています。

蔵之内と内蔵氏

もともとこの一帯では「利雁神社(とかりじんじゃ)」が崇められていました。しかし室町時代になると、羽曳野市西浦へ日吉神社が勧請されたことで、周辺に大山咋神信仰が拡大。蔵之内にも日吉神社が建立され、利雁神社は衰退したといわれています。

日吉神社

羽曳野市西浦にある日吉神社

利雁神社は、美具久留御魂神社に合祀されたため、現在は羽曳野市尺度に小さな社しか残されていません。もともと利雁神社は、日吉神社に近い「大阪府立環境農林水産総合研究所」周辺に存在したようです。

利雁神社は、延喜式人名帳に記載された由緒ある式内社で、渡来系豪族である「利刈氏(とかりうじ)」が創建したといわれています。

利雁神社

旧地に建つ利雁神社

蔵之内という地名は、奈良時代の貴族「内蔵氏」が由来との説があります。内蔵という名は皇室の財物を扱う内蔵を管掌してたとも。




また内蔵氏は、渡来系の豪族で「西文氏」と同じ先祖を持つ一族として知られています。西文氏は羽曳野市古市一帯を本拠地とした豪族で「西琳寺」は西文氏の氏寺とされています。西文氏と同族である内蔵氏も、古市に近い蔵之内を本拠地としていたのかもしれません。

西琳寺

西琳寺

今は新興住宅地となっている羽曳ヶ丘には、渡来系豪族の特徴を持つ古墳が見つかっており、この一帯は渡来系豪族の影響力の強い地区だったようです。

現在の日吉神社(蔵之内)

日吉神社は、羽曳野市蔵之内にひっそりと存在します。神社の裏手は、羽曳ヶ丘地区で比較的新しい新興住宅地。一方の蔵之内は、田畑や趣のある家屋が多く残されています。




こちらが、日吉神社の正面。鳥居の裏側をみると「天保十五 甲辰年九月」と彫られています。1844年に奉納されたと思われますが、それにしては新しい雰囲気。鳥居の表側には「昭和37年再建」の文字が彫られており、あとから彫ったのか再建時に奉納されたものなのか…

日吉神社(蔵之内)の鳥居2

日吉神社(蔵之内)の鳥居

鳥居をくぐり階段を上ると、踊り場になっています。左側の茂みには手水舎…というか水盤を発見。水が出る仕組みも無いようなので、今は使われていないようです。

日吉神社(蔵之内)の水盤

踊り場の右奥では、白玉大神を祭っています。赤い鳥居の奥に「白玉大神」と彫られた石碑が建つ珍しいタイプ。玉の「、」が微妙な位置にあるため「白王大神」なのか迷いましたが、色々調べてみると白玉大神で正しいようです。

日吉神社(蔵之内)にある白玉大神

日本各地に「白玉大明神」や「白玉大神」などの名前で祭られており、赤い鳥居から分かるように「稲荷系の神社」とのこと。蔵之内一帯は、農業が盛んであったことから、白玉大神を祭ったのかもしれません。




拝殿へ続く階段前には2基の石灯篭があり、1810年(文化7年)に奉納されたもの。

日吉神社(蔵之内)の拝殿

階段を上がった先にある狛犬。こちらは1826年(文政9年)に奉納。

日吉神社(蔵之内)の拝殿3

日吉神社の拝殿は、白を基調としたシンプルな造りとなっています。Googleマップで上から眺めてみると、拝殿はT字型になっており、拝殿内に本殿が存在するようです。




鳥居、灯篭、狛犬とも、幕末で揺れ動く1800年代に奉納されています。こうした奉納物は、飢饉など社会情勢が不安定な時に奉納される傾向にあります。幕末から明治にかけた社会情勢の変化をうけ、この地区の人々は神様に安定を求めたのかもしれません。

アクセスと駐車場

・公共交通機関

藤井寺駅

近鉄南大阪線「藤井寺駅」下車。近鉄バス駅南口のりばより「羽曳が丘七丁目停留所」下車後徒歩約5分。




・自動車
日吉神社に駐車場はありません。また、周辺にコインパーキングはありません。徒歩20分ほどの場所に「道の駅しらとりの郷羽曳野」があるので、ここから徒歩がオススメです。

周辺スポット

・日吉神社(西浦)

日吉神社

日吉神社から徒歩10分ほどの場所にある神社。羽曳野市に4社ある日吉神社の一つ。

・利雁神社

利雁神社

日吉神社から徒歩20分ほどの場所にある神社。延喜式神名帳にも記載された、式内社として知られています。

・羽曳ヶ丘神社

羽曳が丘神社の正面

日吉神社から徒歩10分ほどの場所にある神社。昭和に創建された新しい神社として知られています。

・鹽釜神社・正神神社

鹽竈神社・正神神社の正面

日吉神社から徒歩15分ほどの場所にある神社。江戸時代に個人が創建したことが由来という珍しい神社。

日吉神社(蔵之内)の歴史


住所:大阪府羽曳野市蔵之内180
祭神:大山咋命
摂社:白玉大神
旧社格:村社
式内社:なし
参考資料:歴史の散歩道


-羽曳野市, 羽曳野市の神社仏閣
-, , ,

© 2021 南河内に何がある?|南河内の観光スポットを紹介 Powered by AFFINGER5